
2022年9月9日(金)
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開会のあいさつをされた
富山県厚生部高齢福祉課地域包括ケア
推進班長の中家立雄 様
高齢化の進行に伴い、認知症の高齢者も年々増加しています。平成26年に富山県で実施した認知症高齢実態調査によると約5万人でした。(65歳以上の高齢者で6人に1人です)
13年後の2035年になると5万人が9万人になると言われており、65歳以上の高齢者で4人に1人が認知症になると見込まれています。
認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会作りを行っていくため病院に勤務する医師・看護師等の医療従事者を対象とした本日のような研修は認知症の方やご家族を支えるために必要な知識として認知症のアセスメント、対応方法、院内外の多職種連携の重要性について学びを深めていただくとともに病院でのより良い対応に結びつけていただくために開催しています。
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真生会富山病院院長としてあいさつした
真鍋恭弘 医師
最近すごいなと思ったことがあります。
イギリスでは孤独に対応する孤独省というものが2018年にできたそうです。日本では2021年に孤独・孤立対策担当大臣が任命されましたが、特に認知症においては孤独・孤立というキーワードが重要になると思います。
真生会でも実際に認知症になられて入院される方もありますし、認知症になられて法人内施設のこころの家やほのかを利用されている方もあります。そういう方々が孤独や孤立を感じて寂しくなられないように認知症の方への対応というものをしっかり勉強して活かしていきたいと思います。
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講義の「目的編」「対応力編(知識)」
「連携編」を話された
富山赤十字病院精神科部長の殿谷康博 先生
【目的編の狙い】
認知症の人の視点で、
認知症ケアに求められていることを理解する
【到達目標】
・研修の目的を理解する
・認知症の人の視点で、対応への課題を
理解する
・認知症の人を取り巻く施策等について
理解する
【対応力編(知識編)の狙い】
認知症を理解し、入院中の対応の基本を習得する
【到達目標】
・認知症の特徴を理解する
・入院生活における認知症の人の行動の特徴
を理解し、対応方法について習得する
【連携編の狙い】
院内外の多職種連携の意義を理解する
【到達目標】
・多職種連携の意義とメリットを理解する
・院内外で多職種連携する必要性について
理解する
・多職種で行うカンファレンスの要点を
理解する
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講義の「対応力編(実践)」を話された
富山赤十字病院認知症看護認定看護師の
向井紀子 先生
【認知症者とのコミュニケーションの実践1】
・フルネームで呼びかける
・近づいて話しかける
・後ろから声をかけない
・相手の視界に入るようにする
・先のことは話さず情報を簡潔にする
・その人にわかる言葉で話しかける
・相手の話に合わせる(思いを聞く)
・間違いを訂正するのではなく
現実を知らせる
・声のトーンと大きさに配慮する
(大きな声は叱責されていると思われる)
・表情を豊かにする
【認知症者とのコミュニケーションの実践2】
・相手が望む場所を選択する
・メガネや補聴器を使用し、視覚や聴覚の
刺激を活用できる環境を作る
・適切な距離感、プレッシャーを
感じさせない位置で話をする
・返事が無い=聞こえていないと考え、
不必要に大きな声で話しかけない
・相手が返事をしない理由は何かを考える
・相手に敬意を払った言葉や態度で
話しかける
【認知症者とのコミュニケーションの実践3】
・認知症者の「どこが障害されているのか」だけでなく、「どんな能力があるのか(できていることは何か)」に着目して、その人個人に合わせたオリジナルなコミュニケーションを考える
・高齢の認知症者の発信する小さなメッセージに気が付けるように意識する
・相手の受信力にふさわしいメッセージを送る
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閉会のあいさつを行った
真生会富山病院副院長の二村明広 医師
私は透析も担当していますが認知症の方の意思決定において課題があるなと感じていましたので今日教えていただきました認知症の方のガイドラインを学べて嬉しかったです。病院としても認知症の方の対応をどうするか考えていきたいと思います。
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